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ボルソナロ政権評価で『悪い』が38%に ニッケイ新聞WEB版より

《ブラジル》ボウソナロ政権評価で「悪い」が38%に=同時期の前任者らの約3倍=企業家と宗教関係者が頼り=アマゾン問題でも国民同調せず  ニッケイ新聞WEB版より

 

ボウソナロ大統領(Antonio Cruz /Agencia Brasil)

 2日付フォーリャ紙が報じたダッタフォーリャの世論調査によると、ボウソナロ政権への国民の評価は、「良い」29%対「悪い」38%で、就任8カ月にして悪評が大きく上回る状態になった。また、8月下旬に国際的な問題ともなったアマゾンの森林火災に関しても、国民の4人に3人がブラジルの対応を批判した国際世論に「賛同」する姿勢を示していることがわかった。

 4、7月の調査では、ボウソナロ政権への国民の評価は、「良い」、「悪い」、「普通」がほぼ三つ、均等に割れていた。だが、8月29、30日に行われた調査では、「良い」が29%に落ち、「悪い」が38%に上昇した。「普通」は30%で微減した。
 ダッタフォーリャの調査での就任8カ月の時点での歴代大統領の不支持率は、カルドーゾ氏15%、ルーラ氏10%、ジウマ氏11%だったから、ボウソナロ氏の不支持率は既に、近年の大統領の3倍近くに達していることになる。
 今回の調査で目立った特徴としては、不支持の人の中で、「無神論者」と「北東部在住者」が増えていることで、前者で76%、後者で52%と高い数字が目立つ。この背景には、大統領が7月に、かねてから支持率の低かった北東部への批判を行い、知事たちの反感を買ったこともある。
 また、ボウソナロ氏は従来、「高所得者層」の間で人気が高かったが、今回は「最低給料10倍以上の所得層」での不支持率が46%に達するなど、これまでに見られない状況が目立っている。
 一方、ボウソナロ氏を支持している層で目立つのは、「企業家」や、福音派の中でも「近代ペンテコステ派」と呼ばれるグループで、前者では48%、後者では46%の支持をえている。
 また、1日付フォーリャ紙は、8月下旬に国際的に批判を浴びた、アマゾンの森林火災に関する調査結果を掲載している。それによると、「アマゾンは地球にとって大切な存在で、現在は危機に直面しているから、他の国々がアマゾンに関心をもつのは当然だ」との考えには、57%が「全面的に賛成」、19%が「おおむね賛成」で、76%の人が賛成であることもわかった。反対派は21%に過ぎなかった。
 また、国民の40%は「アマゾンの主権はブラジルにあり、ブラジルの関心だけで管理してよい」と考えているが、35%は「アマゾンの管理はブラジルの責任だが、州政府や国際団体の意見も聞くべき」と考えていることもわかった。22%は「アマゾンはブラジルの関心だけで管理せず、アマゾン諸国と国際団体が管理すべき」と考えている。
 このことは、アマゾンの森林伐採や森林火災を懸念する国際社会からの声を、ブラジルの主権侵害と批判するボウソナロ政権の姿勢と異なっている。
 また、国民の61%が「森林火災に対する国外からの援助金は受け取るべき」と回答している。