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会議所シンポ=長期化すれば深刻な影響に=新型肺炎による部品供給遅延=日メルコスルEPAに期待 ニッケイ新聞WEB版より

会議所シンポ=長期化すれば深刻な影響に=新型肺炎による部品供給遅延=日メルコスルEPAに期待 ニッケイ新聞WEB版より

2020年3月11日 New!

 

「1月半ばには経済好転の兆しがあると思われていたが、この1カ月間でベクトルが変化した」と挨拶する村田会頭

 「新型肺炎による中国からの部品供給不足は、今はまだ大丈夫。だが長期化すれば深刻な影響が生じる」――ブラジル日本商工会議所(村田俊典(としふみ)会頭)の総務委員会と企画戦略委員会が共催した「2020年上期業種別部会長シンポジューム」が5日にサンパウロ市内のチヴォリ・サンパウロ・モファレッジホテルで開催され、そんな警鐘が発せられた。

 「今、為替レートが1ドル=4・65レアルになりました」。村田会頭は冒頭、開会の挨拶で生の数字をスマホ見ながら会場に伝えると、静かなどよめきが起きた。4・50を割ったことが大きな話題になったばかりだったが、レアル下落の勢いが止まっていない不安定感が会場全体で共有された。
 金融部会の発表では、半年前に同部会が予測した為替レート=3・60~3・80レアル、2週間ほど前に予測したレート=4・00~4・10レアルと発表された。予測レンジから大きく外れて下落している現実からは、金融のプロですら予測不能な激変が世界経済に今起きていることがリアルに伺えた。
 「2019年の回顧と2020年の展望」(ビジネス環境改善に期待、今なすべきこと)が本来のテーマだったが、今年2月から世界拡散が本格化した新型肺炎の経済的影響が、10部門の発表の中で注目を浴びた。
 3月初め現在で最も強く影響が表れていた航空業界に関して、運輸サービス部会の今安毅(つよし)副部会長は「IATA(国際航空運送協会)が試算した航空業界への影響は、全世界で293億米ドル(約3兆2807億円)。うちアジア太平洋地域の損害が278億米ドルと大半を占める。IATA事務総長は『2008年リーマンショック以来のマイナス需要を引き起こす可能性がある』との談話を発表。とにかくアジア圏内を直撃、関西国際空港の8割が欠航している。航空業界への損害は計り知れない数字になりそう」と述べた。
 自動車部会では「四輪・二輪とも生産台数が回復傾向にあり好調」との発表があった。ただし、新形肺炎の影響で二輪生産拠点マナウスへの中国製部品の供給が絶たれていることの影響について質問があがり、「幸いなことに中国から遠いので、洋上在庫(船で輸送中の部品在庫)が比較的に多く、余力がある。だからまだ顕在化していない。ただし、このままサプライチェーン(部品供給網)が絶たれたままだと、将来的に影響が出る」と佐藤修部会長代理は返答した。
 電機・情報通信部会の小渕洋部会長代理も、中国からの部品に納期延滞リスクがあることあげ、「長期化するようだと在庫製品・部品が底をつき、ビジネスが停滞するなどの問題が起きる可能性があり、影響を最小化するため状況把握・対策の実施が不可欠」と予防策を早急に練る必要があると警告した。
 各業界とも、日本メルコスルEPA交渉開始への強い期待、同時にブラジル政府に対する構造改革(税制改革、民営化、行政改革など)を要望するコメントが次々に出された。


□関連コラム□ 大耳小耳
 
 「2020年上期業種別部会長シンポジューム」の機械金属部会では新型肺炎の影響に関して《一部会員の間で部品の納期が遅れていると聞いているが、今日時点で支障が出ているかといえばそこまでではない》としたが、《ブラジルのビジネス環境が数年の間に改善することは見通せない》との悲観的な推測も出された。自動車部会ではブランド別シェアで、トヨタが7位から6位に上昇したとの報告も。ただしホンダは8位から9位へ。急上昇してきたJeepに抜かれた。食品部会からも《新型コロナウイルス発生以降、ドル高が急進し、原料調達や輸出業及び国内の景況感に与える影響は不透明》《一時回復しつつあった景況感が継続するとはいいがたい》との悲観的な観測が発表されていた。

中銀 29 日発表の12月統計 リオの山下さんからの報告です。

中銀 29 日発表の12月統計 リオの山下さんからの報告です。

 

山下リオ@日本です

中銀29日発表の統計より

 

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12月の海外直接投資49億ドル、過去12カ月累積は12月まで490億ドルです。

 

国内の外貨フローは、貿易で12月は23億ドルの黒字です。

ファイナンスは、199億ドルの赤字で、差し引き176億ドルの流出、2019累積で339億ドルの記録的流出になっています。

 

本年12月の経常収支は57億ドルの赤字です。

 

12月の貿易収支56億ドルの黒字で、過去12カ月累積は

466億ドルです。

 

12月の外貨準備高は3569億ドルです。

 

12月の支払い手段M1は9.91%増、M1の過去12カ月は7.57%増です。

インフレはFGVのIGP-DI指数で、12月は1.74%、

過去12カ月累積は12月まで7.68%

 

隣国ベネズエラ事情:米中経済戦争南米縮図の体をみせてきた。

◆2018 8/20に5桁のデノミをしたボリバル・ソベラノ(Bolivar Soberano)は2020のみで約1.6倍下落

1/31 外貨払いインボイスに5-25%付加価値税を課すと発表、日常食品、薬、新聞以外。

 

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◆世紀の仮想通貨実験:

Petroがドル建の原油価格が基準であることから、ドル基準からは逃れられず、またベネズエラ人は受け取った外貨をドルに換金するので、ドル相場が高騰している。

PetromonedaのアプリではUSドル、ユーロ、人民元、ルーブルとビットコインが換金基本通貨として表示される。

◆議会クーデター:大統領1人とAN暫定大統領2人で計3人に

*マドューロ大統領:選挙不正があったとしてAN`は承認せず。中国、ロシア、イランなどが支持、中南米ではメキシコ、ニカラグァ、キューバ、アルゼンチンが支持。

*ルイス・パラ:元副議長ANでグアイド議長グループの入場を阻止して少数で議長選を強行しAN暫定大統領に選出された。マドューロが押す新議長。

*フアン・グアイド:元議長、場外でANセッションを開催し、ANの167人の議員のうち100人が賛成し、議長AN暫定大統領に再選出され、グアイドは現場で宣誓した。

米国は、グアイドに就任祝辞を送った。米国と56か国が支持。OASの常任理事会も承認。

 

隣国アルゼンチン事情:2019年はインフレが53.8%と過去28年間で最高に。

政府が「Precios Cuidados」というネットアプリで、食品など含めた主要商品の小売り標準価格比較サービスを始めた。

 

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会議所が賑やかに新年会=村田会頭「今年は変化の年」=新年会で華麗な奇術ショー ニッケイ新聞WEB版より

会議所が賑やかに新年会=村田会頭「今年は変化の年」=新年会で華麗な奇術ショー ニッケイ新聞WEB版より

2020年1月24日

 

「EPA早期締結を訴えかけていきたい」と挨拶する佐藤真吾日伯経済交流促進委員長

 ブラジル日本商工会議所(村田俊典(としふみ)会頭)の新年会が17日正午から、サンパウロ市のブルーツリーホテル・モルンビーで開かれ、約180人が参加した。当日は告知なしで奇術師のマリオ・カミア氏が登場し、華麗なショーを繰り広げる新趣向があった。

 

 冒頭、司会の平田藤義事務局長は「60年前は、日米安保条約調印、チリ地震と日本への津波、ケネディ大統領選出馬、学生運動など世界は激動の時代を迎えていました。やはり世界は今年、米国とイランの衝突という火だねから始まりました。しかしブラジルは数年来、労働改革、年金改革を成しとげて、あと税制改革を実行すれば持続的成長が望めるところまでこぎつけました」との新年展望を語った。

 テーブルには白石テルマ・シェフによるおせち料理が並んだ。挨拶に立った村田会頭は「低金利、低インフレという新しい市場環境の中で、スタートアップ企業や新ビジネスが次々に生れ、既存のビジネスの在り方を見直す時期に来ている。2020年はトランスフォーメーション(変化、変質)の年」との見通しを語った。

 野口泰在サンパウロ総領事の言葉の後、奇術師のマリオ・カミア氏の紹介ビデオが流れ、中空に浮かんだ箱から本人が登場。会場の来場者を舞台にあげて参加型のマジックを次々に披露した。予期せぬカードを登場させたり、切ったはずのロープが繋がって出てきたりと次々に奇術を披露し、最後は自分が梯子の上の箱に入って、瞬時に舞台上のアシスタントと入れ替わるという大技も披露。新年会の新趣向に会場から大きな拍手が送られた。

 その後、ブラジル日本青年会議所(JCI)の浅村マルシオ新会頭が挨拶し、「今年もイベントを開催していく。ぜひ従業員にイベントへの参加奨励をお願いしたい」と語り、2月10日午後7時半からサンパウロ州議会で開催される新執行部就任式への出席を呼びかけた。

 続いて商工会議所の新年度常任理事・監事の紹介があった。【会頭】村田俊典、【副会頭】佐藤真吾日伯経済交流促進委員長、安田篤(あつし)日伯交流委員長、大久保敦イノベーション・中小企業委員会、秋山雄一環境委員長、【専任理事】藏掛(くらかけ)忠明日伯法律委員長、鈴木ワグネル企業経営・地場企業推進委員長、讃井(さぬい)慎一総務委員長、長野昌幸異業種交流委員長、松崎治夫企画戦略委員長、永谷(ながたに)佳久渉外広報委員長、篠崎幸男(ゆきお)相互啓発委員長、福元信義財務委員長に加え、二宮正人幹事会議長らが一言ずつ抱負をのべた。

 

関連コラム・大耳小耳

     ◎

 商工会議所の新年会でマジックを披露したマリオ・カミアさんは、グローボTV局のセルジオ・グロイスマンの番組などにも出演しており、芸歴20年、マジック界では有名な人物。本人が「我が家は3代に渡ってマジックを家業にしてきた」と興味深い内容を自己紹介していた。まるで「ブラジルの引田天功」のような感じだ。今週末26日(日)にもマジックショーが、サンパウロ市ショッピング・エルドラド内のTeatro das Artesで行われる。問い合わせは電話(11・94782・5939、contato@mariokamia.com.br)まで。それにしても、どうしてブラジルには日系奇術師が多いのか? 「手先が器用だから」だけではないような気が…。

何時もお世話になっている日本商工会議所から賀状が届きました。

何時もお世話になっている日本商工会議所から賀状が届きました。

 

毎月日本商工会議所の月刊誌≪石垣≫と会議所ニュースを送って頂いていますが、12月号には、賀状も添えてありました。有難うございます。

 

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【2020年新年号】「変革と若い力」=ブラジル日本商工会議所 会頭 村田俊典(としふみ) ニッケイ新聞WEB版より

【2020年新年号】「変革と若い力」=ブラジル日本商工会議所 会頭 村田俊典(としふみ) ニッケイ新聞WEB版より

2020年1月4日

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(写真:Rubens ItoCCIJB)

 新年あけましておめでとうございます。
 新しい年を迎えるにあたり、ブラジル日本商工会議所を代表してご挨拶を申し上げます。
 2019年はボルソナーロ政権が誕生した年であり、政権も国民も新しい事にチャレンジした年であったと思います。私も商工会議所の活動を通じ、ブラジル政府の担当者と話す機会が多くありましたが、その効果が少しずつ色々な形で表れていることを実感してきました。
 2020年、私は、間違いなく「大きな変革(=Transformação)の波」がブラジルに押し寄せて来ると思います。低金利や低インフレは先進諸国と比べても大きな差がないところまで来て安定しています。そして、この変化は継続すると見られており、色々な点で新しい変化が起こってくる年となります。

 過去の成功体験を踏襲したり、横並びの判断を下したりは、世の中どこにでもある事です。数学の公式のように「分かっている事」を使って仕事をしてゆく事がこれまでの常識でした。
 しかし、これからは未来の変化を予測して、仮説を立てて、大胆に変化をエンジョイしてゆく事が必要です。「分からない事」に対応してゆく事。その為には、若い世代の変化を求める力が大切なコアになってくると思います。
 商工会議所も2020年はイノベーション・中小企業委員会を新設して新しい取り組みにチャレンジします。日本の力(ノウハウや技術など)をブラジルに導入し、Win―Winの関係で貢献してゆきたいと思います。そこでも、進出日系企業の若い力(ブラジル人、日本人を問わず)が必要です。
 企業や商工会議所をはじめとする日系団体も若い世代を登用して新しい変化を起こしてゆく必要があります。その為には、リーダー自身がマインドセットをして、変革を受け入れる必要がありますが、その一番の近道は若い世代に任せることだと思います。
 このように、2020年は、ブラジルも日系社会も、企業も若い力で変革に取り組む年になったら良いと願っています。

≪中銀 27 日発表の11月統計≫ リオの山下さんからのお便りです。

今年も残り少なくなりました。新年もよろしくお願いします。

 

山下リオ@日本です

中銀27日発表の統計より 

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11月の海外直接投資44億ドル、過去12カ月累積は11月まで511億ドルです。

 

国内の外貨フローは、貿易で11月は16億ドルの黒字です。

ファイナンスは、73億ドルの赤字で、差し引き57億ドルの流出、昨年末から流出が進み累積で238億ドルになっています。

 

本年11月の経常収支は22億ドルの赤字です。

 

11月の貿易収支34億ドルの黒字で、過去12カ月累積は

477億ドルです。

 

11月の外貨準備高は3664億ドルです。

11月の支払い手段M1は6.18%増、M1の過去12カ月は6.41%増と引き締めています。

インフレはFGVのIGP-DI指数で、11月は0.85%、

過去12カ月累積は11月まで5.36%

 

隣国ベネズエラ事情

  • 昨年8/20に5桁のデノミをしたボリバル・ソベラノ(Bolivar Soberano)

は本年になって約76倍下落

11/17マドゥーロ大統領は「ドル化」が救済策だと発言。

12/19 一部市場でドル札が併用されたが、経済制裁で外貨不足、公務員へのボーナスはPetroで、民間契約業者には人民元での支払いがオッファーされている。

 

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「次の選挙に向け新しい動きを」=下本氏、第4回日系運動シンポーブラジル ニッケイ新聞WEB版より

2019年12月17日

 

左から谷口氏、下本氏、西尾氏

 下本八郎元サンパウロ州議が主催する第4回日系政治運動シンポジウム(Movimento Politico Nikkei)が6日昼、サンパウロ市のブラジル日本文化福祉協会ビルで行われた。ゲスト講演者には、県連日本祭り実行委員長の谷口ジョゼ氏、宮坂国人財団の西尾ロベルト理事長が招待された。

レジス・ヤスムラ副市長

 冒頭挨拶で呼びかけ人の下本元州議は「前回選挙では、サンパウロ州で日系社会に縁が深かった3下議が落選し、まったく関係のない片桐キム下議らが当選した。州議もしかり。日系社会には日系政治家が必要であり、なにか新しい動きが必要だ。今回もそれをしっかり議論して」と主旨を説明した。
 当日はグアラチンゲーター市のレジス・ヤスムラ副市長、サンパウロ市のロドリゴ・ハヤシ・ゴウラル市議、羽藤ジェオルジ同市議、他の市議補佐官らと日系メディア関係者ら、計約20人が参加した。

 谷口氏は「やはり日系人の政治家の方が何かと頼みやすい。県連日本祭りでも政治家の助けは必要。日系社会としても、次の選挙では票を集中させるように何か手を打つべきでは」との意見をのべた。

ロドリゴ・ハヤシ・ゴウラル・サンパウロ市議

 一方、西尾氏は「少し違う視点から話したい。百周年の時にはゴウラルのお父さん(当時サンパウロ市議、本人は非日系で妻が日系人)にもとても助けられた。その他、いろいろな政治家、文化局長など。多くの政治家の世話になっておいて、選挙だからといって誰か一人だけに票を集めるのは難しい」との体験を語った。
 さらに宮坂国人財団では運用益から毎年200万レアルを日系団体に支援しているが、「全伯に500団体以上あるから、あっという間に財源が無くなる」との現実もあるそう。さらに「私の子どもは3人とも政策重視、日系政治家には投票していない」とも語り、若い世代は「日系人の顔だから」という理由だけで投票しない。「日系らしい政策議論」を深める必要があるとの考えを示した。

羽藤ジェオルジ・サンパウロ市議

 それに対して政治家側からは、次のようなコメントが聞かれた。ヤスムラ副市長は「来年の地方選挙で勝つためには、今すでに運動していないと間に合わない。日系人は200万もいるのだから、その投票行動に関してもっと調査すべき。私は3時間かけて車でここに来ているが、サンパウロ市の政治家で出席していない人がいるのは残念」とのこと。
 ゴウラル・サンパウロ市議は「我々は日系社会のことだけをやっている訳にはいかない。選挙だからと票を求めて有権者に近づくのは間違っている。普段からしている活動が評価され、結果的に票が集まるのだ」と語った。
 下本氏は来年のシンポ実施日程として3月13日、6月5日を発表。「日系政治家は今からこの日を予約しておき、必ず出席して」と再度呼びかけた。